催眠術師への道



1. はじめに

この記録は何でもない普通の人「南 裕」が、
催眠術師/催眠心理療法士に変容していく様子を綴ったものです。
登場人物は具体名を避け問題のないような書き方にしています。
そして、これらの話しは全て実話です。
催眠術に興味のある方、また、これから催眠術師を目指す方の参考になればと思います。
それでは、お楽しみください。(^^)


2. ハト出して!

とある真夏の午後、ある人に「バグダットカフェって面白いよ!」と進められました。
そう言われると気になって、早速レンタルビデオ屋で借りて見ました。
その中に、すごく荒んだ店をマジックという手段で人気を呼び、
盛り上がっていくシーンがありました。
マジックってなんって素晴らしいんだろう!と思いました。
元々面白い事好きな僕は、マジックにのめり込み日毎に色々なネタを仕入れて腕を上げていきました。
僕は自信を付けると負けん気も強くなるようで、
ある人に「それだけやれるのならハト出してみてよ!」と言われました。
勿論マジックには種があり、仕掛けをしていないとハトなんか出せようはずもありません。
僕は悩みました。???
今までは、人の思考の裏ばかりかいてきたのが、
このときばかりはマジック(僕のレパートリー)の盲点を突かれた感じでした。
なんとかせねば・・・・・
色々調べていると、催眠術の中に「プラスの幻覚・マイナスの幻覚」というものがある事を知りました。
ひよっとしてこれって「種」要らないの?・・・・・
いてもたってもいられなくなりました。


3. ホームページを検索!

その日以来、検索エンジンで催眠術関係のホームページを見るのが日課になりました。
すご〜い! すご〜い! すご〜い!
催眠術ってすご〜い!
身震いするくらいの感動が全身を駆けめぐりました。

その中に、好感を持てるホームページがありました。
早速メールを書きました。
感じのいい文章で、掛ける人と掛けられる人だと、どちらが好みですか?
と返信がありました。
もちろん両方経験したいです。と返答しました。
しかしその催眠術師(のちに、師匠とよぶようになる)と会えるのが、
1ヶ月以上も先だということを知りました。


4. 待てない!

気の短い僕は、早く催眠術とやらを見てみたいと思いました。
よくよくその催眠術師のホームページを見ると、同業者らしい所にリンクが張られていて、
もっと専門的に勉強したい人は・・・みたいなキャッチがありました。
蛇の道は蛇と言うし、催眠術師が紹介するんだから間違い無いだろうと思い、
そこの門を叩くことにしました。
早速、長〜い長〜い暗示文が送られてきました。
今度お会いするまでに、これを暗記しておいて下さい。と付け加えてありました。


5. 暗示文にビビル!

あの〜。
最近こんな長文を暗記する習慣が無いのですが、・・・・・
一言一句まで正確に暗記しなければいけないのですか?
と質問してみました。
後々役立ちますので、正確に覚えて下さいと返信がありました。
ふ〜!(ため息)
仕事も手に付かず、暗示文の暗記に集中する日が続きました。
暗示文をMDに録音して繰り返し聞きました。
寝るときもヘッドホンを付けっぱなしで寝ました。
その他、色々やってみましたが、
声に出して憶えるのが一番有効だったような気がします。
なんとか暗記して、催眠の先生の門を叩きました。


6. 催眠心理療法士との出会い!

自己紹介の後、早速特訓が始まりました。
色々聞くうちに催眠にはショー催眠と催眠療法の2つがあることを知りました。
そして僕がやりたかったのは、ショー催眠だということにも気がつきました。
なにせ、催眠術でハトを出したいと思っていましたので・・・・・。
しかしそこは催眠療法を教える所でした。
僕の気持ちを察してか、合間にショー的な催眠も見せていただきました。
ソファーから立てなくなるとか、水が辛くなるとか、名前を忘れるとか、数字を忘れるとか、・・・・
初めて催眠術を目の当たりにしたときは、
正直なところ「やらせ?サクラ?芝居?役者?」等と思いました。
人がそんな風になることが信じられませんでした。
しかし本当っぽいし、嘘をついているようには見えないし、
結局の所、信じることにしました。


7. ショー催眠ライブ!

催眠療法の先生の好意で、ショー催眠のライブを見る機会を得ました。
すごい迫力とテンポで、どんどんショーは進んでいきました。
内容は、数百人の観客の中から被験性の高い人を見つけだし、
ステージに誘導していきます。
観客自身をショーの出演者にしていくというものです。
この時は、催眠関係のものは見るもの聞くもの全てが初めてで、
とても新鮮で感動しました。
そして、催眠療法の先生の好意に感謝しました。


8. メールでの質問ぜめ!

自分のやりたいことがショー催眠ということが解った今、
ショー催眠の師匠を探さなければと思っていました。
ラッキーな事に、催眠療法の先生の所にリンクを張られていた、
最初に好感を持った催眠術師がショー系の催眠をやることを、催眠療法の先生に聞きました。
早速ショー催眠の師匠に今までの経緯をはなし、
待ちきれずに催眠療法の先生の所に行って催眠を教わってきたことをメールしました。
そのとき、催眠術に関する解らない事が山のようにありましたので、
毎日のようにメールで質問しました。
その度に的確な返答をいただき、僕の催眠術に関する知識はどんどん膨れていきました。
質問の中心は、瞬間催眠法・急速催眠法でした。
ゆっくり誘導していく催眠療法に対して、
ショー催眠をやる以上、いかに早く!カッコ良く!という事に僕の興味は集中しました。
言葉では理解できるのですが、どうしてもやり方が解りません。
その間合いみたいなものは見るしかないと思いました。


9. ショー催眠術師との出会い!

そうこうしている間に、ショー催眠の師匠が主催する勉強会がありました。
その時には、メールで質問に次ぐ質問をしていましたので、
勉強会の内容は手に取るように解りました。
そして、そこで初めて師匠の催眠術を見ました。
・・・・・すごい!
あっという間に勉強会参加者の手を動かなくしてしまいました。
そして眼鏡を取り出し、これは特殊な眼鏡です。
どういう風に特殊かと言いますと、
この眼鏡をかけたら、周りの人全てが何も着ていない裸に見えますよ!というのです。
うそ〜!
素晴らしい!!!
この催眠術師は本物です。

その後、お疲れさま会を焼き肉屋で行いました。
そこでも数々の催眠術を見せていただきました。


10. 妻、催眠術にかかる!

師匠!明日うちに遊びにきませんか?
いえ、来て下さい。
妻に催眠術を掛けてください。
そして催眠術の心を教えてください。
いいですよ。以外とあっさり承諾してくださいました。
それを聞いていた催眠術勉強会の参加者も、良かったら私たちにも見せてください。
というので、いいですよ!と二つ返事で承諾しました。
そしてショー催眠の師匠が我が家に来ました。
妻には、本物の催眠術師が来るからと伝えていました。
1時間くらい雑談をした後、そろそろやりましょうか!
と師匠が切り出しました。
いきなり妻の手が硬直して動かなくなりました。
さすがに、自分の身内が掛かると心にグッとくるものがありました。


11. 自分の左手固まる!

あっけにとられてボーっとしていたら、
今度は僕の手を握って、だんだん硬くなってきます。
もう自分の意思で手を開く事が出来ません!と言った瞬間!
あっ!開かない!!!???
そうです。僕も催眠術に掛かってしまったのです。
実はこのときが、僕の催眠術に掛かる初体験の日だったのです。
僕が慌てている姿を見て師匠が、それでは解きます!と言いかけましたが、
待って下さい!もう少しこの不思議な体験を楽しませて下さい。
と、自分が今、催眠術に掛かっているんだという感覚に酔いしれました。
そして、このかけがえのない感覚を体に刻み付けました。
この体験が有るのと無いのでは、催眠術をやる場合すごく違ってきます。
実感として例えるなら、SEXをしたことが有るのと無いのの差くらいはあります。


12. 映画「催眠」!

催眠術の映画があるということで、
催眠術勉強会で知り合った仲間と渋谷ハチ公前で待ち合わせて見に行きました。
すさましいほどオカルトチックでシュールな映画でした。
しかし、やりようによっては有りだなと思いました。(恐い恐い!)
そして催眠仲間との情報交換が、また僕の催眠術を高めていきました。
その後、1ヶ月おきに集まるようになりました。
催眠術の勉強会にも何度か行きました。催眠術関係の書籍も買いあさりました。
だんだん催眠術にも自信が付いてきました。


13. キャバクラで披露!

ある日、友達を誘って飲みに行きました。
そのときに付いてくれたお姉さんに、
ねえ面白い物見せようか?と持ちかけて、まずはお得意の手品を見せました。
すごーい!期待どうりのリアクションが帰ってきました。
ねえ、マジックって好き?こう聞いてみました。
好き好き!これも期待どうり。
ねえ、催眠術って知ってる?
聞いたことはあるが見たことは無いと返答がありました。
ジュースだと何が好き?と聞いてみました。
オレンジジュース。
じゃあ、このウーロン茶を貴女の好きなオレンジジュースに変えてみようか!やってみる?
やるやる!できるの?
できるよ。(^^)
かなり納得のいくレベルで出来ました。

キャバクラも回数を重ねていると、いろいろな芸が身についてくるものです。
飲み会でよく使う催眠術、例えば・・・・・

※ビールジョッキから手が放せない。
※椅子から立ち上がれない。
※割り箸でグラスをたたくと、どういうわけか笑いが止まらなくなる。
※ボトルの指定した部分が被験者の一番こそばゆい場所になる。
※コップの口をふさげば、声が出なくなる。
※部屋から出られなくなる。
※オーダー(文字)が書けなくなる。
※握った醤油瓶やタバスコや灰皿が愛おしすぎて、手放せなくなる。
※指定した人のことが、好きで好きでしかたなくなる。
※水が、オレンジジュースやビール、水割り等、好きな飲み物に変わる。
※食べ物の味が変わる。
※手の感覚が無くなって、つねっても痛くない。
※自分の名前を忘れてしまう。または、まったく違う名前になる。
※数字をいっさい忘れてしまう。
※好きな芸能人に会える。
※透明人間になれる。
※自分の知っている好きな場所に行ける。(ハワイとか)
※ハトを見せる。(^^)
等々。


14. 下心があるとまるでダメ!

そんなとき、友達からあの子なんとかして(催眠術でモノにしてという意味です)
いいよ!簡単に引き受ける方も方なのですが・・・・・
この頃は、催眠術で人を好きにさせる事なんてアサメシマエでした。
しかし、恐ろしいことに気が付きました。
催眠術を使う前に、下心があると被験者に悟られて掛からないのです。
師匠に前々から言われていた、
催眠術は無心でやらなければならない。という意味をこんなところで知りました。


15. 美容師眠る!

ことあるごとに催眠術を披露する日が続きました。
行きつけの美容室に行ったときのことです。
美容師との会話の中でマイブームの話しになりました。
そうなると勿論、催眠術の話しになり、
興味があると言うので、最後の客が帰った後シャンプー台の椅子に座ってもらい、
ゆうせん放送の波の音をBGMに、深〜い眠りに入ってもらいました。
以前、ビールが好きといっていたのを思いだし、
仕事も終わったことだし、ビールでも飲みますか!
といってコップに水道の水をくみ、
とても冷えた喉ごしのいいビールですよ。
ちょっと炭酸ききすぎかも?
とっても美味しいですよ〜。と手渡しました。
カ〜ッ!美味い!ととても満足そうに飲み干していただきました。


16. キャバクラ出入り禁止!

以前、催眠術を見せて異様に興味を持った人に催眠術を教えたことがありました。
その人とキャバクラに飲みに行くことになりました。
せっかくだから腕試しみたいなことをやろうという話になりました。
その人は勉強熱心で以外と上手くなっていたので、
僕も調子に乗って、ローテーションしていく女の子に2人がかりでどんどん掛けていきました。
もちろん、席を立つごとに催眠術は解除してしっかりと覚醒させていました。
帰りまぎわには、お店の半数近い女の子が催眠術に掛かっていました。

次の日一緒にキャバクラに行った人から、昨日の店の女の子から電話がありましたよ。と聞きました。
お礼の電話かと思ったら、うちの店で今後催眠術の禁止令が出た!というのです。
理由は、あまりの気持ちよさに別のお客さんに着いても、
自己催眠でまたトランス状態に戻って・・・・・早い話、仕事にならないというのです。
昨日のミーティングでかなり問題になったらしいのです。


17. 分析!

なぜ、キャバクラの女の子が催眠術に掛かりやすいのか?
※TVとかの影響で、もともと興味を持っていた。
※仕事の性質上、お客さんには自分から積極的に心を開いていくから。
 そして自分の事を気に入ってもらえれば、自分のポイントにもなるから。
※退屈な客と違って催眠術師はある種のカリスマ的魅力があるから。


18. 営業接待に大活躍!

今度は僕の仕事に関する事なのですが、この調子で営業接待するとかなり有効です。
どうするかというと、まずお客さんに好みの女の子を聞きます。
その子を指名して催眠術を掛けます。
そして、女の子に僕のお客さんのことを好きにするのです。
まずは手。次はお客さん自身。そして心。
これでいい気分にならないお客さんはいません。
催眠術が使えるようになって、色々な意味で営業がやりやすくなった気がします。


19. クライアント深トランスへ!

中には、お客さん自ら催眠術を掛けて欲しいというパターンもあります。
あるお客さんは芸能人の中山美穂に会いたいというのです。
こんなケースは初めてなのですが、やりました。
あんがい被験性が高く、あっと言う間に深トランスに入りました。

その前にトランスの深度とそれに対してやれる事を説明します。

軽トランス=運動の支配(手が動かなくなったり、椅子から立てなくなったりします)
中トランス=感覚の支配(水がビールやジュースになったり、五感や感情が支配できるようになります)
深トランス=記憶の支配(幻覚が見せられます)

もちろん大満足という感想をいただいています。
こんなに楽しいのなら、もっと早く飲みにくれば良かったとも言っていました。


20. サイコ・セラピストとの出会い!

なんだかキャバクラ催眠にもあきてきた頃、
以前、催眠術の勉強会で知り合った方に催眠療法系の先生を紹介しましょう。
というお話をいただき、催眠仲間とその催眠療法の先生の研究所に訪ねて行きました。
その先生とお会いしたり、メールも何通かやり取りするうちに、なんだか違うんです。
どういう風に違うのかというと、
心が暖かいんです。心が広くて深いんです。そして鋭く学識が有るんです。
人の心の中が見えているようなんです。
僕は決めました。
僕に催眠療法を教えて下さい!
別に断る理由も無いのでお引き受け致します。と言っていただけました。

なぜタイトルを催眠心理療法士としないでサイコ・セラピストとしているかというと、
その先生の名刺の肩書きにそう書いてあったからです。


21. はじめての白衣!

それから毎週末、朝から夕方までまる1日その研究所に通うようになりました。
少し慣れてくるとこれを着てくださいと白衣を手渡されました。
白衣を着るなんて生まれて初めての経験です。
先生いわく、セラピストとしての自覚や患者さんに対するアピール(権威暗示)
の効果もあると言うのです。
治療の内容は秘密厳守という性質上、詳しくは書けませんが、
僕が診療にたずさわって行く中で、感じ取ったことを書こうと思っています。


22. 構え(自分)を捨てなさい!

とにかく、今までやってきたショー催眠と催眠療法は全く違うのです。
ショー催眠は、まず催眠に入れなければ何も始まらないのに対して、
催眠療法は必ずしも催眠に入れる必要が無いのです。
それも2本のレールのように、決して交わることが無いと思っていました。
しかし、今は違います。
お互いの共通点というか、あるべき姿を見つけました。

●ショー催眠 → 笑い → 愛
●催眠心理療法 → 調整 → 笑い → 愛
●アダルト催眠 → 愛
人生、楽しまなければ損ですよ。(^^)

僕がどうやって患者さんの心を開けばいいのですか?と質問した時のことです。
先生に、こちらから開こうとするのではなく自然に開くのを待つのです。と言われました。
探そうとすると決して見つかりません。探さなければそれはすでにそこにあります。
構えを捨てるのです。セラピストではなくセラピーそのものになるのです。
自分を信じ愛する心を取り戻すお手伝いをするのです。
患者さんから機微を感じ取ってください。
相手中心の愛の中を生きてください。

等々、本当は何日にも渡って学んだことなのですが、思いつくままに書いてみました。


23. 日常生活は催眠そのもの!

なんだか僕の中から催眠術という感覚、いや僕自身が消えていくのを感じます。
催眠(トランス)意識は、
恋愛をするとき彼女または彼氏のことが好きで好きで、
それ以外のことを考えられない。という経験をしたことがあると思います。
会えない時は、苦しくて苦しくてどうにもならない恋いの病です。
まさにそれそのものなのです。
それは、いかに早く彼女・彼氏をものにできるかではなく、
お互いの心が繋がった瞬間やってくるのです。
催眠術とは愛そのものだったのです。


24. 催眠について思うこと!

ショー催眠は魔法でなくてはいけません。
いかに不思議で、面白く、恐ろしく、・・・・。
でないと楽しくないからです。

催眠心理療法は最初は魔法でも良いと思います。
思いっきり依存されて・・・・。
しかし、落ち着いたところで種明かしが必要です。
ひとり立ちができるような。

催眠術を知るということは、自分を知るということ。
自分を知るということは、自分を忘れるということ。
自分を忘れるということは、今この瞬間を楽しむということ。

過去にも未来にも生きた自分は存在できません。
本当の自分が存在できるのは、唯一、今この瞬間のみなのです。
大切なのは、今ここにいる自分。

催眠術を通してさらに自分自身を磨き、
共に、輝ける素晴らしい人生を送りましょう。


25. 最後に、私(南裕)が催眠術をやっている理由!

皆様はこんなことを考えたことはありませんか?
自分は何者なのか?
何のために生きているのか?
自分は何処から来て何処に向かおうとしているのか?

皆様は、もうその答えは見つけ出すことが出来ていますか?

私は自分自身の経験と催眠術に携わっていく中で、
偶然にも、その答えを見つけ出すことが出来ました。

私が本当に探し求めていたものとは、
今ここにいる自分自身だったのです。

今まで自分の外にあった宇宙が、
自分の中に出来た瞬間でした。

それに気が付いた私は同時に自分の夢と、
それを叶える方法を知ったのです。

私が催眠術をやっている理由は、
さらに不思議で面白く楽しいことを探求していき、
催眠術というとても素晴らしい媒体を通して、
より大きな感動や喜びを皆様にお届けしていきたいからです。

これからの私の催眠術師としての活動に、
どうぞご期待ください。(^^)


催眠術師/催眠心理療法士 南  裕



★付録1

★付録2

★付録3